記憶 夢と現実の狭間
私は幼少の頃 死にたいと思っていたことがある
布団に入って寝るときに明日目覚めなければいいのに
一人で泣いて寝ることが多かった
隣に姉が寝ていたが
気づかれないように声を殺して泣いていた
誰にも愛されてないと思ってた
あまり楽しい幼少期ではなかった
辛いことのほうが多かった
長女のほうが優遇される
昔ながらの教育のせい
お前は 橋の下で拾った
誰にも似ていない
そんなことをよく言われていた
ここはお前の家じゃない
早く嫁いで出てってくれと祖母に
聞かされた 残念な幼少期
私が生きようと考えが変わるのは
私の思いが届いてしまったから
お迎えが来てしまったから
夢か現実かわからないが
かなりリアルなものだった
いつものように明日なんて来なければいい
そんなことを思いながら布団に入った
息止めたら死ねるかな
そんな実験的なことをしていた
急に手を引っ張られ
空中に浮いた
なんにも話はしないけど 力強い手で
とても明るくて 暖かだった
救われたそう思った
その時映像を見せられた
私がいなくなった後の世界
お葬式 一家離散 親が泣いて 責められて
狂うところまで 最後に家には誰もいない
映像で 辛い感情 悲しい思い 怒り 嘆き
流れ込んでくる感じ
怖くて辛くて謝っていた
もう少し頑張ってみるから
ごめんなさいこんなの嫌だと
下を見ると
布団の上に自分が寝ていて
急いで戻った
つかんでいた手は優しかった
戻りたい願ったら
離してくれて
目覚めたら息苦しくて 息止まってた?
体中の水分が出たかのように
人型に濡れていて
次の日叱られるのだが
おねしょとは違うみたいと
そこまで𠮟られなかった
夢か現実かわからないけれど
それからは 死にたいと願うのはやめた
映像はもう見たくなかった
お迎え来ないでください
頑張るから 明日はきっと良い日
そう思いながら寝るようになった
だから私は辛いことがあっても
死なないで生きてきた
私が寿命で亡くなる時
あの手がまた迎えに来てくれるのだろうか?
その時見せられる映像は
温かい気持ちになれるやつがいい