爺様の教え
幼少の頃私は変わった子ではあったのだが
祖父はあまり喋らない私に
いろんな言葉を教えてくれた
喋らないからこそ大人たちの話を聞く
要員となっていた気もするけど
『脳ある鷹は爪を隠すんだぞ』
『謙虚に生きろ』『触らぬ神に祟り無し』
『武士は喰わねど高楊枝』
『急がば回れ』『烏が泣くのは烏の勝手だぞ』
『自慢は良いことじゃない』
『雉も鳴かずば撃たれまい』
『黙って出来た方がかっこいい』
『考えて喋りなさい 先のことも考えて』
『有言実行より無言実行』
『本を読みなさい意味が分からなくても読み続ければわかる時が来る』
今は亡き祖父の背中で幼少の頃に聞いた
格言や諺なんだけど
爺様の散歩に付き合わされて
そんな話を聞かされた記憶がある
私に聞かせたかったのか
己に言い聞かせていたのかは不明だが
今思えば
爺様と何か重なるものがあっての
助言だったんじゃないだろうかと思うのだけど
そのまま娘に教えても良さそうな気もする
ただ娘は大人しく無言で聞いていることは無いだろうけど
きっと質問責めになる